30代ADHDが結婚してママになりました

偏屈な夫と0歳の娘と暮らすポンコツ主婦が家事と子育てに試行錯誤する日々のこと

30年前の夫のおさがりを捨てたら義母に返してと言われた話

妊娠中、義実家へ遊びに行った際に義母が思い出話にと夫のベビー服を見せてくれた。

ブランド物ばかりだったが、夫が生まれたのは昭和と平成の境目ということもあり流石にデザインも古く、それなりに年季も入っている。

とはいえ30年もの間、きっと大切にとっておいたのだろう。私が「わぁ可愛い〜」と言うと、気を良くした義母からお腹の子に着せてあげてはどうかと提案された。

可愛い息子が着ていた思い出の服を初孫に着せたいという祖父母ドリーム、叶えてさしあげなければ!と当時良い嫁に思われたかった私は快諾した。

 

ところが出産後、

"こんなピュアな娘に30年も前の服を着せるなんて無理無理の無理!好きぴしか勝たん!ぴえん"

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と、良い嫁から娘LOVEマシーンへとレボリューションする。

その後何度か義母に会う機会はあったが、幸いおさがりについて触れられることはなく、初めての育児に忙殺されていたのもありそのうち忘れていった。ある日までは。

それは我が家に義両親を招いて一緒に食事をした日。帰りぎわに義母が「これ持ってきた!終活してるから使わなかったら捨てて!」と例のブツが入った紙袋を置いていった。忘れた頃にやってくるとはまさにこのことだ。

改めて広げてみる。シミもヨレも、思い出の品としては人の歴史を感じさせる良いアクセントになるが、最愛の娘に着せることを考えるとただ汚いとしか思えなかった。

 

どうしたものかと実母に相談したところ「お義母さんが家に来る時に他の洗濯物と一緒に1,2枚室内干ししておいて、あたかも使ってます的な雰囲気を出してみたら」となかなかナイスなアドバイスをもらう。

ところが義母は「今から高速に乗ってそちらへ向かう」と唐突に連絡してきて20分後ぐらいにやってくるので、片付けや掃除するので精一杯。その作戦はついに実行されなかった。

 

良い嫁「なるべくシミが少ないものをピックアップしてオキシ漬けすれば、写真を撮る間だけなら着せても良いじゃない☆」

LOVEマシーン「30年もどんな状態で保管されていたか分からないものなんて、僕は嫌だ!」

葛藤の末、私は自称ミニマリストの夫のクローゼットにそれらを移動させた。あとは匠による大改造を素知らぬ顔で待つばかりである。

 

一方、いつまで経っても嫁から「夫さんの服を娘に着せました(はあと」の写真付きのメッセージが来ないため、痺れを切らした義母が追加のおさがりはいるかとジャブ(LINE)を入れてきた。

「コロナで外出の機会が少なく友人の娘(1歳)のおさがりもあるので大丈夫です」と丁重に断ったつもりだが見透かされたのか、

「この前持って行った服、処分してなければ返してほしいんですが?」クエスチョンマークの圧がすごい。

帰宅した夫に義母とのやりとりを見せ、「夫が捨ててしまったみたいです…って返せば?」と言われた通りに返信するやいなや義母から着信が。夫に。

どうやら別件の用事があったようだが、最後の1〜2分はおさがりのことを聞かれていたのだろう。夫が淡々と相槌を打っているとそのうち通話が切れた。

「お義母さん怒ってた?」と尋ねると、「いや?だって捨てて良いって言ったのはあっちだし」まあ、そうだけど・・・ちょっとは罪悪感とかないんか?

いやいや今回の件は全面的に私が悪い。良い嫁ぶろうとおさがりをもらうことを快諾したし、受け取ったとしてもいらないなら後日返すこともできた。もちろん良い顔はされないだろうが、捨てて取り返しがつかなくなるよりずっとマシだ。

夫は私に代わって決断してくれたいわば救世主なのだ。サイコパスだけど。

一方で手放して後悔するような思い出の品を他人に処分を委ねた義母にも責任はある。どんなに思い入れがあろうと、他人にとっては風景の一部でしかないのだから。

私も娘のものはあくまで自分だけの宝として誰にも渡すことなく、死んだら棺桶に入れてもらうつもりだ。

 

後日談になるが、義母がブランド物のOKバブリーおったまげ〜なスカーフを「査定に出したが値がつかないので私さんに」と持ってきたが、マジで使わないので即座に断った。

本当に良い関係を築きたいなら変に遠慮せず、はっきり意思表示すべきだと気付いた一件だった。